株式投資と市場研究の兜町通信   鈴田孝史

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zoom RSS もし朝鮮戦争ならば、日本市場はどう動くか

<<   作成日時 : 2010/06/13 00:32   >>

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北朝鮮軍、10万人が38度線を越えて韓国になだれ込んだのは、1950年6月25日の未明のことだ。その開戦の日が間じかに迫ったことや北朝鮮内部の情報が活発に報道されていることもあり、「第二次朝鮮戦争は起こるのか」、あるいは「日本への影響はー」と言った話が関心事となってきた。

すでに株式市場では、石川製作所や豊和工業などが有事関連として物色されたものの、特段大きな動きはない。個人投資家には、あまり食指の動くような銘柄ではない、と言うことだろう。

さて、一部週刊誌などでは、「戦争特需」はあるか、などと報道しているところもあったが、まず、60年前の朝鮮戦争のときと決定的に違う要因とは、現在の食糧難、物不足、物価高に悩む北朝鮮には、60年前のような「勢い」がない、と言うことだ。

そして、現在の日本市場は外人の売買シェアが6割以上を占め、60年前の日本人中心の市場とは、決定的に違う、と言うことでもある。

相場を読むとは、ある意味では、ケインズの「美人投票論」ではないが、自分が誰を美人だと思うのかではなく、多くの人が誰を選ぶだろうか、を推測することであり、いわば市場の「風を読む」作業でもある。

その市場を動かしているのが外人投資家である以上、日本人の「好み」などは、無視される。しかも、60年前には、隣国とはいえ日本海を隔てた朝鮮半島の戦乱は、直接的な影響がない、とも考えられた。

ところが今は、ミサイルで日本も射程距離にはいっている。さらには、ステルス戦闘機や無人攻撃機、無人爆撃機、高性能爆弾など、当時とは単純比較できないほど攻撃兵器の質は向上している。

当時の株式市場のチャートを見て、同じような動きをするのではないのか、と即断するのは、危険だろう。外人投資家は、日本売りの材料とする可能性が高い、と言うことでもある。

それでも、一応、過去を振り返れば、当時、開戦の6月25日から北朝鮮軍の猛進撃が続き、わずか3日後の6月28日、首都ソウルは陥落し、その後も北朝鮮軍の快進撃は続き、韓国軍、連合軍は追い詰められていく。

連合軍が反撃に出るのは、9月15日の有名な仁川上陸作戦からだが、その後、国連軍は中朝国境地帯まで北朝鮮軍を追い詰める。それが、逆に中国を刺激して中国人民解放軍の参戦となり、戦局はこう着状態となる。

1951年7月には休戦会談が開かれたが、その後、協議は難航し、休戦協定が締結されたのは、53年7月のことだ。戦争が始まってから3年、休戦会議が開かれてからでも2年を要している。

日本の株式市場は、当初、大きな反応を示さなかった。27日の日経平均株価は、約92円。ところが、7月6日には82.25円まで下落する。
しかし、この日を底値に反転する。それでも、50年代は、最高値の110円前後の戻しで一進一退となるが、51年以降、急騰を始める。
53年2月には、約474円と50年の安値から5倍以上の上昇率だ。

その活況相場を支えたのが、「戦争特需」期待だ。
特需と言っても大まかに言って二種類に大別できよう。
朝鮮戦争当時、米軍を始め連合軍は、日本を最寄の基地として活用していた。そのため、艦船、兵器の修繕、また、弾薬、武器の補充、食料、衣料関係の補充などの需要が増加しただろう。

当時のチャートを見ても、日経平均株価が急騰に転じるのは、51年以降だ。
まだ、休戦協議はまとまらないものの、休戦ラインでにらみ合い、一応の勢力分布が出来あがる。
となれば、誰の目にも「復興需要」への期待が飛びこんでくる。また、日本は戦後復興のために韓国への支援を決めている。

要するに、「戦争特需」と言っても、一昔前のように飛行機や戦車をどんどん生産しろと言う時代ではないし、まして、米韓の修理や銃弾、食料の補給程度では、たいした「特需」とならないだろう。

イラク戦争を始めた米国の「軍産複合体」が、軍需により利益を上げるよりも、米軍の駐留費で財政赤字を積み上げて悪戦苦闘している姿が、現在の儲からない「戦争」の実態を示してもいよう。

さて、戦後の荒廃から日本が立ち上がる原動力となった「戦争特需」とは、韓国の「復興特需」だったといえよう。その「復興需要」は、朝鮮戦争が、激烈だったがゆえに、都市やインフラの破壊が進んだからだ。

その破壊は、北朝鮮に中国、ロシア、韓国に米英などの国連軍の支援があったからだ。
だが、現在は、中国、ロシアだけでなく、どの国も他国を支援する余裕などはない。
まして、軍事力に彼我の差がある北朝鮮と米韓連合軍では、勝負にもなるまい。

要するに「破壊活動」が行われなければ、「復興需要」は大して期待できないということだろう。
もし、期待できるとすれば、北朝鮮の体制崩壊により「改革開放」路線への転換と、日本による北朝鮮に対する賠償金による北朝鮮のインフラ整備などの復興事業だろう。

それに日本企業が参画できるか否かは、政治家の手腕によるところが大きいとしても、拉致問題を含めた日本側の事情もあり、その解決は簡単ではないだろう。

激化する資源争奪戦の中で、中国が北朝鮮を押さえれば、日本経済は、大きな影響を受けるだろう。





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