株式投資と市場研究の兜町通信   鈴田孝史

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zoom RSS マッサン人気でウイスキー市場は拡大するか

<<   作成日時 : 2014/11/23 04:43   >>

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ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝と、その妻リタをモデルとした連続テレビドラマ「マッサン」が高視聴率を維持している。私は、50年ぐらい前に見たことがあるが、その後、一度として連続ドラマを視聴したことがない。
 ところが、知り合いから「見ているか」と感想を聞かれたので、3週間前ぐらいにまとめてみた。

それなりに面白かったが、主役はエリーであり、不器用な男として描かれている「マッサン」には、あまり興味をひかれない。
コミカルに演出されているので、仕方がない面はあろうが、波乱万丈の生涯を送ったのは、マッサンよりもエリーの方だろう。

舞台は大正から昭和初期なので、日本にはまだ因習や嫁姑の関係でいびりがあったのだろうが、今の若い人には分りにくいのではないいのか。
小姑から、「嫁は女中のようなもの」「男に都合がいい社会」「結婚は、親が決めた相手とお見合いで決めるもの」などと言われても、ぴんと来ないかもしれない。

40年ぐらい前に佐賀の友達の家に泊まった時、「早く風呂に入ってくれ」と言われたことがある。男性が入らないと女性たちは、入れない、とのことだった。私は東京育ちだったので、入りたいものが先に入ればいいのではないのか、という感覚だったが、当時の九州では、男尊女卑のような価値観が依然として残っていたのだろう。

しかし、今では九州でも、女性が強くなって、そのような価値観はほとんどなくなっていよう。知り合いの夫婦関係を見ていても、女性の方が強いくらいだ。男女平等どころか、女性優位の時代になっている。
中学生ぐらいの男女の会話を聞いていると、女性が男性を呼び捨てにして、指示したりしている。

要するにエリーが苦労したような時代は、終わっている。
先日の番組では、広島に帰ったエリーが泉ピン子ふんする亀山早苗いびられていたが、最初のころと同じような場面のため、いささか、飽きが来るものだった。マッサンが、すぐ怒る場面も、いささか辟易する。

それでも、番組を見るのは、一服の清涼剤の価値があろう。
日本は、海外と比較すれば、治安がいいとはいえ、新聞では、連日のように幼児虐待や通り魔事件が報じられている。高齢者を狙った詐欺事件も多発している。日本社会は、明らかに劣化している。

その様な環境下、必死に日本人になろうと努力するエリーの姿は、人々に勇気を与えてくれる。
だが、まだ西洋礼賛の時代に、日本文化を積極的に学ぼうとするエリーのような存在は、異例中の異例の存在だろう。もし、日本で女中として扱われれば、普通なら怒って帰国してしまうだろう。

エリー役のシャーロット・ケイトは、米国では二流の舞台女優であり、それほど人気があるわけではなかったといわれている。オードリー・ヘップバーンやカトリーヌ・ドムーブ、エリザベス・テーラーなどの欧米の女優と比べれば、強烈な個性がない。それが、日本人向けとしては、受ける理由だろう。
そして、日本の女性以上に献身的であり、いわば、「大和撫子」のように描かれている。何年か前、カナダ留学の日本人女性が、美人コンテストで優勝したことがある。

すると日本の週刊誌などでは、その振る舞いから、彼女が日本を代表する「大和撫子」と言えるのか、と噛みついていたもの。世界標準で栄冠を獲得するためには、しっかりと自己主張をする欧米型の個性がなければならない。楚々とした深窓の令嬢のような女性では、世界的評価は得られない。また、「大和撫子」のような女性も、ほとんどいない。
リタの写真を見ると、実際に献身的な女性であり、マッサンにしても本当に不器用な人だったのだろう、と想像される。

鴨井商店の大将が、マッサンに「日本人の口に合ったウイスキーを作ろう」と呼びかける場面もあったが、マッサンは、本場スコットランドの味にこだわる。それが、マッサンが鴨井商店に入社した後、意見対立となり、独立して余市でのウイスキーづくりとなっていくのだろうが、そのため、エリーの苦労はまだまだ続くことになる。

話が長くなってきたので端折るが、ニッカ設立後も、苦労は続く。以前、アサヒビールがマスコミ懇親会を開いていたころ、創業者の息子である竹鶴威氏も出席されていたもの。クラブやスナックで出る水割りウイスキーは、金魚も泳げる、と嘆いていたものだ。それでは、せっかくのウイスキーの味が生かされない。私は、大がつくほどの酒飲みだが、やはり味のしないような飲み方は好きではない。だから、濃くしてもらっていたが、しかし、大部分の日本人は薄い「水割り」を飲んでいた。それでも、ウイスキー市場は1980年代までは、いくらか成長していたが、それが今では、大幅に減少している。

酒好きにとっては、マッサンを契機としてウイスキー市場の拡大に期待するところだが、新しい飲み方を提案しなければ、難しいだろう。
数日前、ウイスキーを買いにスーパーへ行ったら、「余市」や「竹鶴」の売り場が広がっていた。マッサン効果があるのかもしれない。
ところが、近くの棚には輸入酒がずらりと並んでいた。何しろ、普通は1200円前後の「ホワイトホース」「バランタイン」を820円で売っていた。円安だというのに、輸入酒の方が低価格なのだ。

ところで、「クールジャパン」の一環として、政府も日本食の普及に努めている。寿司や天ぷらだけでなく、世界のあちこちでラーメンが人気を博している。
日本でも、米国食文化の代表ともいえるマクドナルドの売上高が大幅な減少となっている。以前の当ブログでも触れたが、それはハエがたからず、長期間放置しても腐らないほど化学調味料などを多用していることと、米国文化への飽きだろう。

中国産鶏肉が賞味期限切れだったことなどは、一つの契機に過ぎない。マックの売上高、客数の減少傾向は、以前からの事であり、その再建のために、日本マクドナルドは、今年3月、トップ交代で、カサノバ新社長が誕生したのだ。
世界中で日本食が人気を博しているのは、マック衰退の裏返しでもある。
日本を含めて、世界中で食文化が、大きく変わろうとしている。

私たちの世代は、コッペパンと脱脂粉乳の給食で育った世代であり、パン食に抵抗はない。コカコーラもよく飲んだもの。
ところが、若者たちは、ハンバーガー離れとコーラ離れが進んでいる。この流れは、さらに大きくなる可能性が高い。その流れが、食文化、酒類文化を揺さぶり始めている。
輸入酒の方が安い時代に、ジャパニーズウイスキーは、どうなるのか。変化することなくては、マッサン効果で多少市場が拡大したとしても、輸入酒に市場を食われてしまうだろう。

そして、欧米での「クールジャパン」は、ブーメランのように日本に返ってくるのではないだろうか。

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