株式投資と市場研究の兜町通信   鈴田孝史

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zoom RSS 商品開発力のない「すき家」の底深き危機

<<   作成日時 : 2014/11/12 01:51   >>

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牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーが11月10日、15年3月期の連結業績予想を再び下方修正すると発表した。11日の株価は−48円、4,81%安の950円だった。前回、8月6日の下方修正の発表後、株価は906円(8月7日)まで下落して年初来安値となった。年初来高値は1222円(2月18日)だから、それほど大きな下げではない。
まだ、業績立て直しへの期待感があったのだろう。年初来安値を記録した後も、9月には、1000円前後で推移していた。

8月の段階では、連結の最終損益は13億円の赤字に転落すると発表したものの、営業利益は当初の予想の159億円から、80億円へと大幅な減益になるものの、それでも、営業利益は確保するとの見通しだった。
ところが、今回の発表では、営業利益は80億円の予想から17億円の赤字予想となった。当初の予想の159億円から考えれば、176億円の下方修正となる。

ブラック企業と後ろ指を指されたこともあり、人手不足で深夜営業ができない店が1000店以上に及び、また、牛肉などの食材の値上がりでコストアップとなったのが、それが苦境の主因であるかのように報道されている。
しかし、ゼンショー、「すき家」の問題点は、それだけだろうか。

私は、毎日のようにゆくコンビニの隣に「すき家」があるので、よく店内を覗いている。道路側の窓はスリガラスのため、店内、とりわけ窓よりのお客様の食している商品まで観察できる。そして、店の外には、常に幟がたてられている。
現在は「鉄火丼、550円ブラス税」と「炭火焼トン丼、520円ブラス税」の幟が翻っている。もう一か月以上も同じ幟だ。

以前には、毎月のように新しい商品の幟が掲げられていたものだ。
ところで、以前に出したすき焼き鍋では、手間暇がかかり、それが過重労働となってアルバイトやパートが集まらない理由ともなったという。
牛丼は、どんぶりにご飯を盛り、その上に牛を盛るだけの単純作業だ。料理技術がない学生アルバイトでも、簡単にこなせる。それ故に多店舗展開も容易だった。

そしても積極的な新商品開発をしてきたといっても、そのほとんどは、牛丼の上にキムチ、チーズをのせたり、「コク味噌野菜」とやらをのせるようなもので、実質的には、牛丼の単品商売だ。
私は、毎日のように「すき家」の横を通りながら、この単品商売は、やがて沙挫折するのではないのかと見ていた。

なぜなら、「すき家」の本部には、商品開発部があるのだろうが、新商品といっても、あくまでも牛丼をベースとして、丼ものでなければならないとの制約に縛られているだろうとしか思えないからだ。現在の鉄火丼などにしても同様だ。すでに商品開発で、行き詰まっているのではないのか、と思われる。

新商品といっても、単に牛丼の上にのせる具材を探してくるだけで、本当の商品開発とはいえず、それ故に、開発部の能力も磨かれることはない。
牛丼にチーズやマヨネーズをかけて食べるのを好む層がどれほどいるのかは知らないが、お客様に新提案をしているようには、思えない。お客の声ではなく、「すき家」の都合による商品開発でしかなく、それは、やがて飽きられる。

その根底にあるのは、効率経営の経営方針だろう。作業を単純化して、また、深夜の客数の少ない時にはワンオペにするというのは、ゼンショーの成長のための長所だったが、それを変更しなければならなくなれば、短所が噴出してくる。

最近では、外食産業の新聞折り込み広告が増え、それらを見ていると、このような商品をお客様が求めているのだろうかと首をかしげたくなるものが多い。回転寿司ではカツオやマグロにマヨネーズをのせたものを宣伝している。顧客獲得競争が激化しているので、「突飛」なもので視線を集めようとする努力はわかるものの、果たして、それで消費者はついてくるのか。

消費者の節約志向から、中食、内食、家飲みが増加し、それに伴い、外食に求める欲求も変わった。プチ贅沢も節約志向の反動的側面があるだろう。
商品はもちろんだが、若い女性アルバイトに浴衣を着せた居酒屋が人気を博している。
店内の装飾や雰囲気を含めた商売にしなければ、不毛の戦いになるのではないのかと危惧される。

なお、ゼンショウの株価は、さらなる下落となるのではないのかと見ている。


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