株式投資と市場研究の兜町通信   鈴田孝史

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zoom RSS エルニーニョで株式市場は低迷か

<<   作成日時 : 2014/06/22 18:18   >>

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気象庁は、今夏は5年ぶりにエルニーニョ現象が発生かる可能性か゛高いと発表したが、すでにその影響
が表れている。冷夏、長雨となれば、個人消費を冷やし、穀物の作柄不良で価格が高騰する。

ペールー沖では、潮流の変化で、魚の養殖に使う魚粉が減少し、日本への輸出量が減少している、という。養殖魚の生育が不十分となれれば価格は上昇しよう。

インドの中央銀行総裁は、6月初旬、エルニーニョの影響で今年の農産物の作柄が悪化するだろう、との声明を発表している。人口の多い国が、輸入に走れば、影響は大きい。

韓国の「中央日報」は、「韓国の食卓に危機? 豚肉の異常な高値傾向…2カ月で25%アップ」(6月11日」)と題して「豚の畜産農家を代表する大韓韓豚協会の会長団10人余りが急に集まった。」という。
「豚価格安定緊急対策会議」が招集されたのだ。米国の豚の数か10数パーセント減少し、また、中国が大量輸入しているため、今後も高値が続くだろうと予想している。

中国政治協商会議は、2013年の段階で中国の耕地の16%がカドミウム、水銀などの重金属に汚染されていると発表している。
中国の土地、川、大気の環境汚染はとどまることを知らない。
その被害は、日本にまで及んでいる。福岡では、PM2.5や黄砂の影響が強まるばかりだという。

それはさておき、中国当局が耕地汚染は16%と発表したということは、実際には、それ以上の土地が汚染されているということだろう。

中国は、食糧自給率は90%と主張しているが、農地を工場や人の住まないビルなどにしてきたため、耕地の拡大は望めない。しかも、農民の減少、水不足もあり、農産物の収穫増は難しい。。

実際には、穀物価格が上昇すれば、豚や鳥の飼料としてのトウモロコシの消費量を低下させるなどで食生活が変化するだろうが、それらを勘案しない単純計算では、食糧自給率が80%となれば、20%分の輸入をしなければならなくなる。13億人の20%なら2.6億人の食糧が必要になる。

穀物や肉関係の価格を押し上げよう。高価格で買えない人々も現れよう。それにより、中国のみならず、途上国などで暴動が多発するだろう。
また、穀物価格の上昇で有害食品も増加しよう。

5月中旬、中国の大手食用油メーカーが、一度廃棄された油を収集して、それを精製して販売していたことが発覚。中国情報の「新唐人」によれば、そのメーカーが販売している「金龍魚」は、シェアが45%で多くの家庭やレストランが使用しているという。

「地溝油」は、文字通り、溝や排水溝に捨てられたもので、その有害性は何年も前から問題化していた。しかし、一向に改善されず、政府も野放し状態なのだろう。規制をしたり、環境保全を訴えても、単なる掛け声だけで、一向に改善されない。あるいは、袖の下を渡せば、お目こぼしとなろう。
もちろん、安さが魅力。穀物値上がりで、これまで以上に中國産の危険度は、高まろう。

農産物の増産も掛け声だけで、悪化の一途だろう。それは中国のみならず、食糧自給率の低い日本にも多大な影響を及ぼす。
それらの件は、6月末発売の『エルネオス』に書いたので省略するが、エルニーニョの影響は、穀物の高騰だけでなく、株式市場にも影響する。

1900年以降、エルニーニョは、6月から9月までが中心だが、長期化することもあるため、発生年から翌年にわたることもあるが、話を単純化するために発生時の年だけを列挙すると次のようになる。

1992年、
1994年、
1998年、
2002年、
2006年、
2009年。

こう列挙してみると、感の言い方は、株式市場の低迷期と合致していることに気付かれよう。
1989年12月末、日経平均は38915円の史上最高値を記録した後、外資系などの売りでその後は暴落へと転じ、1992年には19600円前後まで暴落。1995年には、円が一時79円まで急騰し、日経平均は、15000円割れとなる。

その後、戻す場面もあるが、1998年末には再び、15000円割れ。
2003年には8000円割れ、
2008年のリーマンショック後は、一時は、7162円と7000円割れの直前まで下落。

とりわけ1997年―98年は、アジア通貨危機、野村証券をはじめ総会屋事件で証券会社の幹部たちが多数辞任、また、大蔵省はノーパンしゃぶしゃぶ問題で批判の集中砲火を浴びる。
まさに金融界はマヒ状態に陥った。ノーパンしゃぶしゃぶの件は、週刊誌などにネタを持ち込んだのが、店の関係者であり、そのオーナーは、問題のある人だとも言われていた。

それらの情報は、CIAだけでなく、ウオール街の証券関係者も把握していただろう。
米財務省は,金融のCIAと言われている。中国の要人が米国やスイスの銀行にいくら預けているのか、あるいは名義をどのように隠しているのかさえも把握している、という。北朝鮮がマカオの銀行にいくら預けているのか把握しているからこそ、金融封鎖もできる。米国の情報機関関係者と思われる人が、日本のマスコミ関係に情報を流していることは、私自身も知っている

そもそも、ポールソンやルーピン・元財務長官だけでなく、ゴールドマン出身者が多数政府に入り込んでいる。ウォール街と財務省は、回転ドアでつながっているとも評されるが、その人たちによって、あらゆる情報がウオール街の住人にもたらされていよう。数年前、ブルームバーグが、ボールソン財務長官が証券関係者に情報を流しているとウォール街の住人の証言をもとに記事にしたことがある。が、するとすぐにそれを否定する記事が掲載された。圧力があったのだろう。

いずれにしろ、1987―88年は、北海道拓殖銀行、三洋証券、山一証券などが次々と破綻し、韓国もIMFの管理下に入るなど、内外ともに大混乱の時期だった。
アジア通貨危機では、ジョージソロスなどが売り攻勢で大儲けしたが、日本も狙われているといわれていたものだ。エコノミストなどは、当時通貨危機の最大の被害者は、日本だろう、などと書き立てていたもの。
アジア諸国との貿易関係だけでなく、融資残も多かったからだ。

ところで、この金融の混乱は、偶然に悪材料が重なったのだろうか。
以前に1989年に日経平均が駆け上がり、その後売り叩かれた手口についての研究レポートのあることを紹介したことがあるが、バブルを煽ってから売り叩くのは、相場の常道だ。山を高くしなければ、暴落の妙味は少ない。

さて、第一生命経済研究所のエコノミスト、、長M利廣氏の試算では、エルニーニョの影響が、2003年並みの場合は、実質GDPは、0.5%押し下げ゛られ、1993年並みならば0.9%も押し下げられるという。

6月13日、黒田日銀総裁は、消費増税の影響は、「夏以降、影響が減衰していき、成長経路に復帰する確度は高い」と楽観的見通しを述べた。まったくエルニーニョの影響につては関心がないかのようだ。

エルニーニョの影響がどれほどのものかは不明ながら、冷夏、長雨で個人消費に影響するのは必至であり、イラクの混乱は、周辺国にまで拡大する可能性もある。円安下の原油高に直面するかもしれない。
日本への失望売りを仕掛けてくるかもしれない。失望させるためにも、楽観論は必要なのだ。景気減速ならば、来年の増税は、見送らざるを得ないだろう。IMFは、日本は最低でも消費税を15%にすべきとの警告を受けている。

食糧、エネルギー、金融、情報と日本は、弱点をさらけ出している。その上に、国民に楽観論を振りまけば、やがてはそのツケを支払うことになる。

「歴史的事件に偶然はない」というが、投機社会では、様々な仕掛けの罠がある。1998年のような複合的な悪材料が投げかけられないことを願うほかはない。



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